弦楽セレナーデと私と先生
2013年09月26日
それは、高校1年の秋のことだったかな。
高校生活の部活動にも慣れ、コンクールや文化祭を終えてアンサンブルコンテストに出よう出ようと悪友イエロにほだされて、グリーンボーイの私じろーは
「でも俺、アンサンブルの曲なんて全然知らんし」
と、曲選びは完全にイエロに一任。そんな折、彼が私にカセットテープを渡しました。
アンサンブルの曲はおろか、吹奏楽のオリジナルにも造詣の無かった私は、その時この曲を中心に家中でアンサンブルの曲のトリコとなり、ヘッドフォンステレオで山下達郎も聖子ちゃん(恥)も聞かずにアンサンブル猿となっておりました。
この曲、というのが、
「弦楽セレナーデ4楽章~チャイコフスキー」by乗泉寺吹奏楽団サックスパート
もともとチャイコフスキーのメロディが好きだった私にとっては、まさしく衝撃でした!勿論、デザンクロやシュミットのような王道な曲もその時ようやく知識としてありましたが、サックスの持つ運動量・ダイナミクス・そして音楽の説得力というものが、このセレナーデには全て含まれていると当時いたく感動したのを、今でもよく覚えています。
じろー「で、この編成ってカルテットなん?」
イエロ「んー、たぶん8重奏。」
じろー「!?そんなんうち4人しかおらんのにできんやろ!ソプラノもないし・・・」
イエロ「一番高い音、ソプラノとちゃうと思うで」
じろー「へ?何なん?」
イエロ「多分、ソプラ・・・ニーノやったっけ。」
じろー「何それー!!絶対できんやん!」
あれから二十何年、まさかニーノ持って演奏してるなんて、想像だにしてませんでしたけど。
それ以来、1年の冬はグラズノフ、2年の冬はパスカルをアンコンで演奏しましたが、弦楽セレナーデへの興味は薄れることはありませんでした。いつかこの曲を演奏したいなあ、楽譜は手に入るのかなあ、そもそも8人とかの大人数でサックスだけで演奏するなんてこと、よほどの物好きでなけりゃあ無理ちゃうかなあ、そしたらやっぱり夢か・・・
と思っていたら、高校新三年の3月、奇跡が訪れました!
古庄孝行先生が大学卒業後、香川の高校に赴任されるとのことで先生の凱旋ソロリサイタル&カルテット、そして香川初のラージアンサンブルatヤマハ高松店の6階ホール(その筋では結構伝説なんです)に、私じろーとイエロはラージのみ参加させてもらいました。指揮は故佐倉友章先生で、松繁先生や西宇先生、平井さんやきんじさん・テル師匠といった御大の中に入って、バリバリ緊張した中で演奏したのを記憶しています。
しかも、隣には古庄先生!
実は、古庄先生とお会いするのはこれが2回目。最初は、かの冨岡和男先生が高松でのミニコンサートを開催されるにあたって、アンサンブルのメンバーとして我が母校龍雲中学校にお越し下さった際にお会いしたのがそれでした。なんと先生は、その時借り物のヤマハのテナーに悪戦苦闘されてたようでした。私は、当然中学生でクラからサックスに転向してすぐの時だったので、冨岡先生の代わりに吹かされたりして半泣き(全泣き?)になったりしてました。その際にはあまりお話する機会がなかったのですが、とても穏やかで、それでいて内に秘めた情熱をなんとなく感じていたものでした。
その先生の隣で、同じくソプラノを演奏させてもらいました。
弦楽セレナーデの1・3・4楽章を、カットしながらの演奏となりました。4楽章は当然ながらよく知っていたのですが、1と3はほとんど聴く機会がなくて、不勉強もあり足を引っ張ったかもしれません。しかし先生は本当に紳士で、高校生の私には非常に優しく接して下さいました。ひょっとしたら、あまり興味が無かったのかも知れませんが(泣)それでも二人で同じパートを何とかイイ感じで演奏できたかなと、当時中二病的に思ったものでした。
こんな第一線の先生と一緒に演奏できるなんて、俺って・・・
そうした勘違いから、大学では頭を打って辛い思いもしました。自業自得ではあるんですけどね。チャイコフスキーの持つ独特の世界観(陰鬱さと華々しさが錯綜する)を少しでも感じながら、以前テープで聞いた衝撃の音楽を、今こうして自分が演奏している、といったプチ感動が、何とも言えないカタルシスだったんです。しかも古庄先生と一緒なんて、凄く贅沢なことでした!
あれから月日は経ちました。ご承知の通り、古庄先生は他界されました。
今回の演奏会のメインプログラム、弦楽セレナーデなんです。
因縁を感じています。ひょっとしたら、イエロも感じているかも知れません。私達もあれからすっかり年を取り、音楽に対する思いや捉え方、付き合い方も少しずつ昔とは違うものになっているのでしょうか。自分自身でも推し量れない部分もあります。でも、今回の弦楽セレナーデは、あの時のドキドキ感と高揚感、そして今回もまた演奏会が開催されるということの感謝を皆さんにお伝え出来るように、高校生のエネルギッシュさと大人の老獪さを存分に披露したいと思っています。
そして、古庄先生へ贈るセレナーデとして、この演奏会をお届けしたいと思います。
高校生活の部活動にも慣れ、コンクールや文化祭を終えてアンサンブルコンテストに出よう出ようと悪友イエロにほだされて、グリーンボーイの私じろーは
「でも俺、アンサンブルの曲なんて全然知らんし」
と、曲選びは完全にイエロに一任。そんな折、彼が私にカセットテープを渡しました。
アンサンブルの曲はおろか、吹奏楽のオリジナルにも造詣の無かった私は、その時この曲を中心に家中でアンサンブルの曲のトリコとなり、ヘッドフォンステレオで山下達郎も聖子ちゃん(恥)も聞かずにアンサンブル猿となっておりました。
この曲、というのが、
「弦楽セレナーデ4楽章~チャイコフスキー」by乗泉寺吹奏楽団サックスパート
もともとチャイコフスキーのメロディが好きだった私にとっては、まさしく衝撃でした!勿論、デザンクロやシュミットのような王道な曲もその時ようやく知識としてありましたが、サックスの持つ運動量・ダイナミクス・そして音楽の説得力というものが、このセレナーデには全て含まれていると当時いたく感動したのを、今でもよく覚えています。
じろー「で、この編成ってカルテットなん?」
イエロ「んー、たぶん8重奏。」
じろー「!?そんなんうち4人しかおらんのにできんやろ!ソプラノもないし・・・」
イエロ「一番高い音、ソプラノとちゃうと思うで」
じろー「へ?何なん?」
イエロ「多分、ソプラ・・・ニーノやったっけ。」
じろー「何それー!!絶対できんやん!」
あれから二十何年、まさかニーノ持って演奏してるなんて、想像だにしてませんでしたけど。
それ以来、1年の冬はグラズノフ、2年の冬はパスカルをアンコンで演奏しましたが、弦楽セレナーデへの興味は薄れることはありませんでした。いつかこの曲を演奏したいなあ、楽譜は手に入るのかなあ、そもそも8人とかの大人数でサックスだけで演奏するなんてこと、よほどの物好きでなけりゃあ無理ちゃうかなあ、そしたらやっぱり夢か・・・
と思っていたら、高校新三年の3月、奇跡が訪れました!
古庄孝行先生が大学卒業後、香川の高校に赴任されるとのことで先生の凱旋ソロリサイタル&カルテット、そして香川初のラージアンサンブルatヤマハ高松店の6階ホール(その筋では結構伝説なんです)に、私じろーとイエロはラージのみ参加させてもらいました。指揮は故佐倉友章先生で、松繁先生や西宇先生、平井さんやきんじさん・テル師匠といった御大の中に入って、バリバリ緊張した中で演奏したのを記憶しています。
しかも、隣には古庄先生!
実は、古庄先生とお会いするのはこれが2回目。最初は、かの冨岡和男先生が高松でのミニコンサートを開催されるにあたって、アンサンブルのメンバーとして我が母校龍雲中学校にお越し下さった際にお会いしたのがそれでした。なんと先生は、その時借り物のヤマハのテナーに悪戦苦闘されてたようでした。私は、当然中学生でクラからサックスに転向してすぐの時だったので、冨岡先生の代わりに吹かされたりして半泣き(全泣き?)になったりしてました。その際にはあまりお話する機会がなかったのですが、とても穏やかで、それでいて内に秘めた情熱をなんとなく感じていたものでした。
その先生の隣で、同じくソプラノを演奏させてもらいました。
弦楽セレナーデの1・3・4楽章を、カットしながらの演奏となりました。4楽章は当然ながらよく知っていたのですが、1と3はほとんど聴く機会がなくて、不勉強もあり足を引っ張ったかもしれません。しかし先生は本当に紳士で、高校生の私には非常に優しく接して下さいました。ひょっとしたら、あまり興味が無かったのかも知れませんが(泣)それでも二人で同じパートを何とかイイ感じで演奏できたかなと、当時中二病的に思ったものでした。
こんな第一線の先生と一緒に演奏できるなんて、俺って・・・
そうした勘違いから、大学では頭を打って辛い思いもしました。自業自得ではあるんですけどね。チャイコフスキーの持つ独特の世界観(陰鬱さと華々しさが錯綜する)を少しでも感じながら、以前テープで聞いた衝撃の音楽を、今こうして自分が演奏している、といったプチ感動が、何とも言えないカタルシスだったんです。しかも古庄先生と一緒なんて、凄く贅沢なことでした!
あれから月日は経ちました。ご承知の通り、古庄先生は他界されました。
今回の演奏会のメインプログラム、弦楽セレナーデなんです。
因縁を感じています。ひょっとしたら、イエロも感じているかも知れません。私達もあれからすっかり年を取り、音楽に対する思いや捉え方、付き合い方も少しずつ昔とは違うものになっているのでしょうか。自分自身でも推し量れない部分もあります。でも、今回の弦楽セレナーデは、あの時のドキドキ感と高揚感、そして今回もまた演奏会が開催されるということの感謝を皆さんにお伝え出来るように、高校生のエネルギッシュさと大人の老獪さを存分に披露したいと思っています。
そして、古庄先生へ贈るセレナーデとして、この演奏会をお届けしたいと思います。